写真提供:福岡市 撮影者:Fumio Hashimoto

福岡空港の立地ってめちゃくちゃいいよなって。グーグルマップを眺めるたびに思います。

福岡空港は福岡平野のほぼ中央に位置しており、博多駅までわずか12分という、世界的に見ても桁外れにアクセスの良い空港です。東京福岡便というこれまた世界有数のドル箱航空路線を有しており、アジア各国へのアクセスも良いため国際便も活況な無敵空港です。年間利用客数は羽田、成田、関西、に次ぐ第4位。

福岡空港駅から博多駅まで

そんな向かうところ敵なしに見える福岡空港、実は毎年大赤字なのです。

私有地空港

福岡空港の敷地の1/3は私有地で、毎年巨額のショバ代が地主に納められているのです。

福岡空港の総合的な調査に関わるPI(ステップ3)実施報告書

どうも戦前戦後のいざこざで土地を無理やり接収した経緯から、戦後土地所有者と賃貸契約を結ぶ羽目になったのと、空港建設を早期に知った松本治一郎さんっていう国会議員が先回りして土地を買い占めてしまったってのが理由みたいですね。

毎年80億円以上が土地の権利者に支払われてる状態で、福岡空港は稼げど稼げど利益が出ません。せっかくのドル箱路線があるのにその利益の多くは地元の地主の懐に入っています。

赤字空港は市民にとってマイナスか

でも、これって確かに国と空港にとっては困りごとですけど、地域にとってはどうなんだ?って考えると面白い事実が浮かび上がってきます。この80億円、もし空港の敷地が国有地だったら地主じゃなくて国に吸い取られてます。それがまるまる地域の地主に入る。

地主に入った金はどうなるか。恐らく地銀に入る、地銀に入った金はどうなるか、地方の投資に回される。あれ、もしかして福岡空港って私有地の方が市民にとっては得なんじゃね?

伊丹空港が閉鎖できない理由

そういえば関空を建設したときも、伊丹空港は閉鎖します!って偉い人は言ってたのに、結局今でも伊丹はバリバリの現役ですよね。まあ関空がアホみたいに遠いからってのもあるんでしょうけど、空港周辺の地主が、地価が下がるから閉鎖に反対してるって噂も聞きます。空港に近いって、騒音さえ気にならなければめちゃくちゃ便利ですからね。あえて住みたい人も多いはず。

松本一族

福岡空港が移転できなかった理由、表向きは福岡市の財政難と移転場所が確保できなかったってことになっていますが、地元の、なんかこう、見えない力が働いてるみたいなこともあったりするのかなって。なんせ福岡空港大地主の松本一族は国会議員を何人も輩出してる名門ですからね(元復興対策大臣の松本龍氏も松本家)

高松空港とか周りに大して民家も無いところでも、騒音問題で山奥へ移転したり。いやお前ら福岡空港見てみろよと。それにしては人口が密集する市域のど真ん中にある福岡空港の反対運動はほとんど聞かないなんで、こんな風に勘ぐってみたくもなります。

とにかく福岡空港が市街地から移転しなくて本当に良かった。数年後には第二滑走路も整備されるって話だし、これからもどんどん稼いで地元にお金を落としてほしいもんです。

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